「AI検索に引用されるには、llms.txt を置くべき」「SEOはもう終わり、これからはLLMO」——。AI検索について、そんな話をよく見かけます。
でも、Googleの公式文書には、AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も必要ない と書かれています。llms.txt については、Google検索では無視されると明記しています。
この記事では、Googleなどの一次情報をもとに、AI検索で何が変わったのか、Googleは何をすすめているのか、よく聞く話はどこまで本当か、自分のサイトがAI検索に出ているかの確かめ方を整理します。最後に、私たちのサイト(sorabun.com)がAIに引用されているかを、実際に調べた結果も載せます。
1. AI検索で、何が変わったのか
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2024年8月 | Googleの「AIによる概要」(AI Overviews)が日本で始まる |
| 2025年9月9日 | 「AIモード」が日本語で始まる(検索結果の[AI モード]タブ) |
| 2026年6月 | Google:AIによる概要の月間利用者は25億人超、AIモードは10億人超 |
| 2026年8月31日 | Search Console の「生成 AI パフォーマンス レポート」と「検索の生成 AI 設定」が世界中のサイトに |
クリックは減るのか
米国の調査機関 Pew Research Center は、米国の成人900人の閲覧データ(2025年3月)を調べ、AIの要約が出た検索では、通常の検索結果のリンクが押されたのは8%、要約が出ない検索では15%だったと報告しています。要約の中のリンクが押されたのは1%でした(2025年7月公表)。米国のデータで、AIモードは含みません。
これに対してGoogleは、検索からサイトへの自然検索のクリックの総数は前年と比べて比較的安定しており、すぐに戻らない「質の高いクリック」はわずかに増えたと説明しています(2025年8月)。具体的な数値は示していません。
民間の調査(Seer Interactive、2026年)では、AIの要約に引用されたページは、引用されないページより、表示あたりの自然検索のクリックが120%多かったという結果も出ています。引用されるかどうかが大事になっている、と言えます。
2. Googleの公式見解:特別な対策は要らない
Google 検索セントラルの「AI 機能とウェブサイト」には、次のように書かれています。
AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。
表示される条件は、ページがインデックスに登録され、Google 検索でスニペットが表示され、検索の技術的要件を満たしていること。これまでのSEOと同じです。
Googleがすすめているのは、SEOの基本です。
- クロールとインデックスを許可する
- 重要な内容は、画像ではなくテキストで書く
- 内部リンクで、ページを見つけやすくする
- 構造化データは、ページに表示されている内容と一致させる
- ほかのサイトにはない、体験や専門性のある内容(2026年5月公開の新しいガイドでいう「ありふれていない」内容)
新しいガイド「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」は、生成AI検索向けに最適化することは「SEO であることに変わりはありません」としています。
3. よく聞く話は、どこまで本当?
| よく聞く話 | Googleの文書に書かれていること |
|---|---|
| llms.txt を置けばAIに引用される | 作る必要はない。Google検索では無視されるので、表示やランキングに影響しない(ほかのサービスのために置くのは問題ない) |
| SEOは終わった | 生成AI検索向けの最適化も、SEOであることに変わりはない |
| 記事を細かく分ける(チャンク化) | 細かく分割する必要はない |
| AI向けの構造化データが要る | 特別な schema.org のマークアップは要らない。ただしリッチリザルトの対象になるので、SEOの一部として使い続けることはすすめている |
| AIで記事を大量に作れば勝てる | 価値を加えずに大量のページを作ると、スパムポリシーの「大量生成されたコンテンツの不正使用」 |
AIで大量に作った記事について
Googleのスパムポリシーは、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを作ることを、作り方を問わず「大量生成されたコンテンツの不正使用」としています。例の1つ目は、生成AIなどで、ユーザーにとっての価値を加えずに大量のページを作ることです。
さらに、2026年10月に更新された「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」では、内容を見る観点として、労力・独自性・才能やスキル・正確さを挙げています。監督なしに生成AIで大量の文章を作ることは、ほとんど労力を要しないとし、出典を示しても独自の労力の代わりにはならない、とも書いています。
これは検索品質評価者の観点で、評価がそのまま順位を決めるものではありません。また、AIを使うこと自体は禁止されていません。
4. 自分のサイトがAI検索に出ているかの確かめ方
- Search Console の「生成 AI パフォーマンス レポート」:AIによる概要とAIモードで、自分のページが表示された回数(インプレッション)を、時系列・ページ・国・デバイスごとに見られる。2026年8月31日に世界中のサイトへ提供。表示回数が少ないと、レポートが出ないこともある
- Bing Webmaster Tools の「AI Performance」:Microsoft Copilot や、Bing のAIの要約などで、自分のページがどれくらい引用されたかを見られる(2026年2月から)
- robots.txt を確かめる:OpenAI は、検索用のボット OAI-SearchBot を止めたサイトは ChatGPT の検索の答えに表示されない、としている。学習用の GPTBot とは別に設定できる
- 自社名を入れずに、AIに実際に聞いてみる:お客さんが聞きそうな質問で。名前を入れると答えが寄ってしまう
AI機能に出さない設定もある
Search Console の「検索の生成 AI 設定」で、サイトをGoogle検索の生成AI機能から除外できます。既定は「含める」。除外すると、AI機能からのインプレッションやトラフィックは無くなります。Googleは、この設定を検索のほかの部分のランキングや掲載可否のシグナルには使わない、としています。出たくない理由がなければ、既定のままでよいでしょう。
5. 私たちのサイトを、実際に調べてみた
ソラブンの「順位チェック」と「AI引用チェック」で、私たちのサイト sorabun.com を、コラムのテーマに近い6つのキーワードで調べました(2026年10月18日)。
- 順位:Google 検索の30位まで(Serper)
- AIによる概要:同じ検索結果から、枠が出ているか・引用されているか
- AI引用:Gemini(Google検索つき)と ChatGPT(Web検索つき)にキーワードを質問し、答えの出典に sorabun.com が入るか
| キーワード | 順位 | AIによる概要 | Gemini の出典(一部) | ChatGPT の出典(一部) |
|---|---|---|---|---|
| WordPress セキュリティ 対策 2026 | 圏外 | 枠なし | hatenabase.jp・hidemywpghost.com・wpschool.org・guardiangaze.com | developer.wordpress.org・wordpress.org |
| WordPress 改ざん 確認方法 | 圏外 | 枠なし | f-pat.com・wp-119.com・youtube.com・kumaweb-d.com | wordpress.org・developer.wordpress.org |
| パスキー 乗っ取り | 圏外 | 枠なし | qiita.com・note.com・smbcnikko.co.jp・yasashii-cybersecurity.com | developers.google.com・cheatsheetseries.owasp.org |
| スマホ 乗っ取り 対策 | 圏外 | 枠なし | kaspersky.co.jp・alsok.co.jp・group.gmo・canon-its.jp | ipa.go.jp・gov-online.go.jp・security-portal.nisc.go.jp |
| 情報漏洩 対策 個人 | 圏外 | 枠なし | impress.co.jp・ppc.go.jp・soumu.go.jp・asahi-net.jp | ipa.go.jp・npa.go.jp |
| AI サイバー攻撃 対策 | 圏外 | 枠なし | cybereason.co.jp・jbcc.co.jp・sct.co.jp・utmhikaku.com | ipa.go.jp・cisa.gov・genai.owasp.org・csrc.nist.gov |
結果は、6つとも引用なし。Googleの30位以内にも入っていませんでした。私たちのコラムは、どれも2026年10月17〜18日に公開したばかりなので、当然の結果です。
今回の6つの質問で分かったこと:
- ChatGPT の出典は、IPA・警察庁・WordPress の公式・OWASP・NIST など、公的機関や公式・標準の文書ばかりだった
- Gemini は、企業の解説記事も多く引用していた
- どちらの答えにも出典が付いていた。検索つきのAIは、答えの根拠を、検索で見つけたページから選んでいる
質問の仕方や時期で、結果は変わります。だから、同じ質問を続けて測ることが大切です。
引用されるために、私たちがやること
特別な裏技はありません。Googleの文書と同じ結論です。
- 一次情報を書く(実際に調べた結果・自社のデータ)
- 出典をはっきり示し、正確に書く
- 同じキーワードを毎週測り、変化を見る
- 量より、ほかにない内容を増やす
6. ソラブンでできること
- AI引用チェック:Gemini(Google検索つき)と ChatGPT(Web検索つき)にキーワードを質問し、答えの出典に自分のサイトが入っているかを記録します。手動の「AI引用を調べる」はいつでも、設定すれば週1回の自動チェックも(1回あたり数円)
- AIによる概要の引用:順位チェックと同じ検索結果から読み取ります(追加の費用なし)
- AI推奨(LLMO):お客さんがAIに相談するときの「問い」を作り、AIに実際に聞いて、どんな基準で候補を比べているか、自分のサイトが選ばれているかを測ります。足りない根拠は記事にできます
どれも、ソラブンのクラウド版に標準で入っています。
よくある質問
llms.txt は置かないほうがいいですか?
Googleは、ほかのサービスのために置くのは「まったく問題ありません」としています。ただ、Google検索では無視されるので、Googleの順位やAIによる概要のために置く必要はありません。
AIによる概要に出たくない場合は?
Search Console の「検索の生成 AI 設定」で除外できます。ページ単位なら、nosnippet・data-nosnippet・max-snippet・noindex でも、AIによる概要とAIモードに使われる範囲を制限できます。Google のほかのシステムでのAIの学習やグラウンディングを制限するのは、別の Google-Extended です。
AIで書いた記事は、Googleに評価されませんか?
AIを使うこと自体は禁止されていません。問題になるのは、ユーザーにとっての価値を加えずに大量のページを作ることです。人が確かめ、独自の分析や一次情報を足すことが大切です。
まとめ
- Google:AIによる概要・AIモードに表示されるための追加の要件や、特別な最適化は要らない。やることはSEOの基本
- llms.txt は、Google検索では無視される
- 価値を加えずにAIで量産すると、スパムになり得る。大事なのは労力と、ほかにない内容
- 確かめ方:Search Console の生成AIパフォーマンス・Bing の AI Performance・robots.txt・自社名を入れずにAIに聞く
- 私たちのサイトは、公開したばかりで、まだ引用されていなかった。測り続けて、一次情報を足していく
出典(2026年10月18日に確認)
- Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」 https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features?hl=ja
- Google 検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」 https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/ai-optimization-guide?hl=ja
- Google 検索セントラル「スパムに関するポリシー」 https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies?hl=ja
- Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」 https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja
- Google 検索セントラル(robots メタタグ) https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/robots-meta-tag?hl=ja
- Google 検索セントラル(Google-Extended) https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/google-common-crawlers#google-extended
- Search Console ヘルプ「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」 https://support.google.com/webmasters/answer/16984139?hl=ja
- Search Console ヘルプ「検索の生成 AI 設定」 https://support.google.com/webmasters/answer/16908024?hl=ja
- Google Japan Blog(AIによる概要、2024年8月) https://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/ai-overviews/
- Google Japan Blog(AIモードを日本語で提供開始、2025年9月9日) https://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/ai-mode-search/
- Google(サイト運営者向けの新しい設定、2026年6月) https://blog.google/products-and-platforms/products/search/new-controls-website-owners/
- Google(AI in Search is driving more queries and higher quality clicks、2025年8月6日) https://blog.google/products/search/ai-search-driving-more-queries-higher-quality-clicks/
- Pew Research Center(2025年7月22日) https://www.pewresearch.org/short-reads/2025/07/22/google-users-are-less-likely-to-click-on-links-when-an-ai-summary-appears-in-the-results/
- Seer Interactive(AIO impact on Google CTR、2026年。民間の調査) https://www.seerinteractive.com/insights/aio-impact-on-google-ctr-2026-update
- Bing Webmaster Blog(AI Performance、2026年2月10日) https://blogs.bing.com/webmaster/2026/2/Introducing-AI-Performance-in-Bing-Webmaster-Tools-Public-Preview/
- OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」 https://developers.openai.com/api/docs/bots
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