「Claudeに頼んだら、WordPressに記事の下書きができていた」。MCP(Model Context Protocol)を使うと、こういう使い方ができます。
この記事では、AIのClaude(Claude Code)とWordPressをMCPでつなぎ、日本語で頼むだけで記事の下書きを作る方法を、実際に動かした画面と数字で解説します。実演では、「WordPress 自動更新 設定」というキーワードを渡してから約20分で、見出し12個・約2万字の下書きがWordPressに入りました。
つなぐ作業は、コピーと貼り付けの3ステップです。後半では、安全に使うための約束と、つながらないときの直し方もまとめます。
1. MCPとは:AIと道具をつなぐ「共通の差し込み口」
MCPは Model Context Protocol の略で、AIと外の道具(アプリやデータ)をつなぐための共通の決まりです。2024年11月に、Claudeを開発するAnthropicがオープンな仕組みとして公開しました。いまはClaudeのほか、Cursor・VS Codeなど、多くのAIアプリが対応しています。
パソコンのUSB-Cを思い浮かべると分かりやすいです。差し込み口の形がそろっていれば、どのメーカーの機器でもつながります。MCPも同じで、道具の側が一度MCPに対応すれば、対応するいろいろなAIから使えます。
WordPressの場合、「道具」にあたるのがWordPressのサイトそのものです。WordPressをMCPサーバーにしておくと、AIに「◯◯の記事を下書きで作って」「先週の記事を要約して」と、日本語で頼めるようになります。
2. つながると何ができるか(Sorabunの場合)
この記事では、WordPressのAIプラグイン Sorabun(ソラブン) を使います。クラウド版かPro版を入れると、そのWordPressがMCPサーバーとして動き、次のことをAIから頼めます。
| できること | 中身 |
|---|---|
| 記事を作る | キーワード・ページのURL・YouTube動画から記事を作る(既定は下書き) |
| 書き直す | 古い記事を、いまの情報で書き直す(結果は下書きで保存) |
| 進み具合を見る | 作成中の記事が、いまどの段階か |
| 読む | 記事の一覧・本文・サイトの情報 |
逆に、設定の変更・記事の削除・APIキーの操作は、MCPからはできません。公開状態を変えられるのも、記事を作るときの指定だけで、既定は下書きです。AIに渡す力は必要なぶんだけ、というのが安全に使うための基本です。
なお、記事を書くのはSorabunの中のAI(この実演ではGoogleのGemini)です。Claudeは「頼みを聞いて、道具を呼び、結果を確かめて報告する」役です。
3. 用意するもの
- WordPress(パーマリンクは「投稿名」など。「基本」でも動きますが、URLの形が変わります)
- Sorabun(MCP連携は、クラウド版とPro版の機能です)
- クラウド版:AI利用料込みで、GeminiなどのAPIキーを用意しなくても使えます。最初の3記事は無料(クレジットカード不要・認証から30日)
- Pro版:自分のAPIキーで使う版。今回の実演は、記事を書くAI(Gemini)のキーを自分で用意して行いました
- MCPに対応したAIアプリ:この記事では Claude Code。Cursor・VS Code・Claudeのデスクトップアプリでも使えます
- 本番のサイトなら 常時HTTPS(APIキーが暗号化されずに流れないように)
4. つなぐ3ステップ
ステップ1:Sorabunの設定で、URLとAPIキーをコピー
WordPressの管理画面で「Sorabun > 設定 > REST API」を開きます。「MCPサーバー」の欄に、MCPのURL(https://あなたのサイト/wp-json/sorabun/v1/mcp)と、Claude Codeに貼るコマンドが、APIキー入りでそのままコピーできる形で出ています。
APIキーは、このキーを知っている人なら誰でも記事を作れてしまう「合い鍵」です。人に見せたり、公開の場所に貼ったりしないでください。
ステップ2:Claude Codeに、コマンドを1つ貼る
ターミナルで、コピーしたコマンドを実行します。中身は「名前・URL・APIキー」の3つだけです。
claude mcp add --transport http sorabun \
"https://example.com/wp-json/sorabun/v1/mcp" \
--header "Authorization: Bearer sbk_xxxxxxxx"
example.com を自分のサイトに、sbk_xxxxxxxx を自分のキーに替えます(設定画面からコピーすれば、替える必要はありません)。追加のソフトやNode.jsのラッパーは要りません。
ステップ3:つながったかを確かめる
claude mcp list
sorabun: https://…/wp-json/sorabun/v1/mcp (HTTP) - ✔ Connected と出れば成功です。あとは、Claude Codeを起動して日本語で頼むだけです。
Claude Code以外のアプリでつなぐ
Cursor・VS Code など(URLとヘッダーを書ける設定ファイルの場合)
{
"mcpServers": {
"sorabun": {
"url": "https://example.com/wp-json/sorabun/v1/mcp",
"headers": { "Authorization": "Bearer sbk_xxxxxxxx" }
}
}
}
Claudeのデスクトップアプリ(設定画面からヘッダーを付けられないので、mcp-remote という小さな中継を使います。Node.js 18以上)
{
"mcpServers": {
"sorabun": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "mcp-remote", "https://example.com/wp-json/sorabun/v1/mcp",
"--header", "Authorization: Bearer sbk_xxxxxxxx"]
}
}
}
5. 実演:日本語で頼んで、記事の下書きを作る
ここからは、練習用のWordPressで実際に動かした結果です。
頼んだのは、この一行
Claude Codeに、次のように頼みました。
「WordPress 自動更新 設定」で記事を1本、下書きで作って。できたかは、あとで聞くね
するとClaudeが、Sorabunの「記事を作る」道具を使おうとして、実行してよいかを聞いてきます。画面には、渡すキーワード(WordPress 自動更新 設定)と、下書きの指定(post_status: "draft")が出るので、中身を見てから「Yes」を選びます。AIが外の道具を勝手に使わないための、大事な確認です。
Sorabunはすぐに受付番号(ジョブID)を返し、記事はWordPressの裏で作られます。待っているあいだ、Claude Codeを閉じても大丈夫です。
記事ができるまでの約20分(実測)
同じキーワードで、最後まで進み具合を見届けたときの記録です(進み具合はMCPの道具 get_job で確認)。
| 経過 | 段階 |
|---|---|
| 0分 | 受付(すぐに受付番号が返る) |
| 1分 | 調べる(検索して、上位の記事を読む) |
| 4分 | 書く(見出しごとに本文を書く。いちばん長い工程) |
| 19分 | 図解とアイキャッチを付けて、下書きに保存 |
| 20分 | 完成(品質スコア 79) |
できあがった下書き
- タイトル:WordPress自動更新の設定方法|事故を防ぐ3つの推奨構成
- 見出し:12個(自動更新の種類、管理画面での手順、wp-config.phpでの止め方、プラグインの危険度、復旧手順、よくある質問 など)
- 分量:約2万字。表が11個、図解が1枚、アイキャッチ、記事の要点、メタディスクリプション、タグまで入っていました
時間は、記事の長さやサーバー、Sorabunの設定によって変わります。今回は長さを「おまかせ」にしたため、読む人の知りたいことを広く拾った長めの記事になりました。
作った記事を、Claudeに読ませる
MCPは作るだけではありません。続けて、Claude Codeに「下書きの記事を読んで、H2の見出しを並べて」と頼むと、Claudeが記事を読み、12個の見出しを並べてくれました。
しかも、頼んでいないのに、こんな指摘をしてくれました。
1番目のH2の中に、メジャー更新とマイナー更新の比較表が2つあり、内容が重なっています。しかもバージョンの例が食い違っていて、1つ目は「7.0 → 7.1」、2つ目は「6.3/6.4.1」になっています。どちらか1つに絞るとよさそうです。
実際に記事を確かめると、そのとおりでした。
自分のサイトで試すなら:Sorabunのクラウド版は、AI利用料込み・APIキー不要で、最初の3記事を無料で試せます(クレジットカード不要)。MCPもそのまま使えます。→ 3記事を無料で試す
6. AIが作った記事は、人が確かめてから公開する
AIは、もっともらしく、こうした重複や食い違い、数字や日付のまちがいをすることがあります。それに、自分の体験や意見は、書いた人にしか書けません。
AIで作った下書きは、公開の前に次の点を確かめましょう。
- 数字・日付・版(バージョン)・固有名詞は正しいか
- 同じ内容がくり返されていないか、食い違っていないか
- 手順は、いまの管理画面と同じか(実際に操作して確かめる)
- 自分の言葉で書き足すこと(体験・おすすめの理由・注意点)はあるか
- タイトルと見出しは、読む人の知りたいことに答えているか
「作る」はAI、「確かめて仕上げる」は人。この分担がいちばん速く、いちばん安全です。今回のように、確かめる作業の一部をClaudeに手伝わせることもできます。
7. 頼み方のコツ
頼み方を少し工夫するだけで、下書きの質が変わります。
- キーワードは、検索される言葉のまま(例:「WordPress 自動更新 設定」)
- 読む人を伝える(初心者向け・社内向け・詳しい人向け など)
- 長さを伝える(「3000字くらい」「おまかせ」)
- ほしい中身を足す(「手順は番号つきで」「表で比べて」「注意点を最後に」)
こうした一言は、Sorabunへの追加の指示として、そのまま記事作りに渡ります。
慣れてきたら、こんな頼み方もできます。
- 「このURLの内容で記事を作って」(ページやYouTube動画のURLから)
- 「◯◯の記事を、いまの情報で書き直して」
- 「下書きの記事を一覧にして」
- 「3つのキーワードで、1本ずつ作って」
8. MCPを安全に使う4つの約束
- 記事は下書きで作る。Sorabunは、頼まれない限り下書きにするよう、MCPでつないだAIに伝えています
- APIキーは人に見せない。画面共有や録画にも注意し、漏れた疑いがあれば、設定画面で作り直します(作り直すと、古いキーは使えなくなります)
- 実行の確認は、中身を見てから「はい」。キーワードや公開・下書きの指定を確かめます
- つなぐ道具は、信頼できるものだけ。AIが読み込んだページやファイルに、AIへの「いたずらの指示」が隠れていることがあります(プロンプトインジェクション)。知らないMCPサーバーを足したり、怪しいページを読ませたりしないようにします
9. つながらないときの直し方
| 出る表示 | よくある原因と直し方 |
|---|---|
| Failed(つながらない) | ブラウザで https://サイト/wp-json/ が開けるか確かめる。開けなければ、パーマリンクの設定かサーバーの問題 |
| 401 | APIキーの貼り間違い。Bearer のあとに半角の空白が要る |
| 403 | セキュリティのプラグインやWAFが、REST API(/wp-json/)を止めている。sorabun/v1 を許可する |
| Basic認証をかけたテスト環境 | Basic認証の Authorization はそのままにして、Sorabunのキーは X-Sorabun-Key: キー という別のヘッダーで送る |
| パーマリンクが「基本」 | URLが /?rest_route=/sorabun/v1/mcp の形になる。設定画面に出ているURLをそのまま使う |
よくある質問
無料で使えますか?
Sorabunのクラウド版は、最初の3記事を無料で試せます(クレジットカード不要・認証から30日)。MCP連携はクラウド版とPro版の機能です。Claude Codeを使うには、Claudeの有料プランか、AnthropicのAPIの契約が必要です。
公開まで任せられますか?
記事を作るときに公開を指定することはできますが、おすすめしません。既定は下書きです。AIの下書きは、人が確かめてから公開してください。
記事を書いているのはClaudeですか?
いいえ。記事を書くのは、Sorabunの中のAI(この実演ではGemini)です。クラウド版なら、AIはSorabunのサーバーが選んで呼ぶので、APIキーは要りません。Claudeは、頼みを聞いてSorabunの道具を呼び、結果を確かめて報告する役です。
Claude Code以外のAIでも使えますか?
MCPに対応し、URLとヘッダーを設定できるアプリなら使えます。Cursor・VS Codeは設定ファイルに書くだけ、Claudeのデスクトップアプリは mcp-remote を使います。
APIキーが漏れたかもしれません。
Sorabunの「設定 > REST API」で、APIキーを作り直して保存してください。古いキーは、その場で使えなくなります。つないでいたアプリには、新しいキーを登録し直します。
まとめ
- MCPは、AIと道具をつなぐ共通の差し込み口。WordPressをMCPサーバーにすると、日本語で記事作りを頼める
- つなぐのは3ステップ:①Sorabunの設定でURLとAPIキーをコピー ②Claude Codeにコマンドを1つ貼る ③
claude mcp listで Connected を確かめる - 実演では、キーワードから約20分で、見出し12個・約2万字の下書きができた
- AIの下書きは、人が確かめてから公開する。今回もClaudeが、重なった表と食い違いを見つけた
- 下書きで作る・キーを見せない・確認を見てから「はい」・信頼できる道具だけ、の4つを守る
出典(2026年10月18日に確認)
- Model Context Protocol(公式サイト) https://modelcontextprotocol.io/
- Anthropic「Introducing the Model Context Protocol」(2024年11月) https://www.anthropic.com/news/model-context-protocol
- Claude Code のドキュメント(MCP) https://code.claude.com/docs/en/mcp
- Sorabun マニュアル「REST APIとMCP連携」 https://sorabun.com/manual/restapi.html